磁気ネックレスは、血液の中の鉄を引っ張っているのでしょうか。答えは「いいえ」です。体内の鉄は、釘や砂鉄のような金属の鉄とはまったく違う姿で存在しています。血液と磁気の関係、管理医療機器としての働きと選び方を説明します。

この記事でわかること

体内の鉄と、釘や砂鉄の鉄との違いがわかる

血液が磁石に吸い付かないしくみがわかる

磁気ネックレスの位置づけと、mTの数字の見方がわかる

あなたの生活に「磁気の力」をプラスしよう

健康診断の結果表には、ヘモグロビンの数値が並びます。貧血ぎみのときには、レバーやほうれん草をすすめられます。私たちは日常のあちこちで、身体と鉄との関わりを目にしています。

一方、理科の授業では「鉄は磁石につく」と習いました。この2つが結びつくと、ある考えが自然に浮かびます。磁気ネックレスは、血液の中の鉄を引っ張っているのではないか、というものです。

結論からお伝えすると、その働きかけは起きていません。血液に鉄が含まれていること自体は事実です。けれども、その鉄は釘やフライパンの鉄とは、まったく違う姿で存在しています。

では、私たちの身体の鉄は、どのような姿をしているのでしょうか。

血液の鉄の正体 体内の鉄はどこに、どんな姿で存在するのか

「鉄」と聞いて思い浮かぶのは、釘やフライパン、理科の実験で使った砂鉄ではないでしょうか。

どれも磁石によく吸い付きます。同じ言葉で呼ばれている体内の鉄も、同じ性質を持っているように思えます。

この章では、身体の中の鉄がどこに、どれくらい、どのような姿で存在しているのかを説明します。

【「鉄は磁石につく」という記憶が生む素朴な疑問】

理科の実験では砂鉄を使い、冷蔵庫の扉にはマグネットが吸い付きます。私たちは幼い頃から、こうした体験を重ねてきました。そこから「鉄は磁石につくもの」という強い記憶が残ります。

一方、貧血ぎみのときには「鉄分が足りないから、レバーやほうれん草を食べて」とすすめられます。健康診断では、ヘモグロビンの値が毎年のように確認されます。

この2つの記憶が重なると、ある筋書きが完成します。血液には鉄がある、磁石は鉄を引っ張る、だから磁気ネックレスは血の巡りを良くしている。直感的で、とてもわかりやすい話です。

けれども、この筋書きは成り立ちません。

誤解が生まれるのは「血液に鉄がある」という部分ではありません。

その鉄を、釘や砂鉄と同じ「金属の鉄」だとイメージしてしまう点にあります。

【体内の鉄は5円玉1枚分ほどしかない】

成人の身体にある鉄の量は、すべて合わせておよそ3〜4gです。5円玉1枚がおよそ3.75gですから、ほぼ同じ重さと考えてよいでしょう。

このうち6〜7割ほどは、赤血球の中にあるヘモグロビンというタンパク質に組み込まれています。ヘモグロビンは、肺で受け取った酸素を全身の細胞へ届ける役目を担っています。血液が赤く見えるのも、この物質の色によるものです。

残りの鉄は、肝臓や脾臓、骨髄にフェリチンという貯蔵用のタンパク質の形で蓄えられています。また、筋肉の中のミオグロビンや、さまざまな酵素の部品としても働いています。

いずれの場合も、鉄が単独の金属の粒として身体の中を漂っているわけではありません。必ず、大きなタンパク質の内部に抱え込まれた状態で存在しています。

【食事の鉄分は「分子の部品」として使われる】

食事に含まれる鉄分は、大きく2つに分けられます。

  • ヘム鉄:レバーや赤身肉、魚などの動物性食品に多く含まれます
  • 非ヘム鉄:ほうれん草や小松菜、大豆製品などの植物性食品に多く含まれます

この2つは、身体に取り込まれる道筋が少し異なります。ヘム鉄は「ヘム」という構造のまま小腸の細胞に入り、細胞の中で鉄が切り離されます。非ヘム鉄は、小腸で吸収されやすい形に変わってから取り込まれます。

取り込まれた鉄は、トランスフェリンという運搬役のタンパク質と結びついて全身へ運ばれます。そして骨髄で、赤血球のヘモグロビンをつくる材料として使われます。

つまり、食事で鉄分を補うのは、酸素を運ぶ部品を補充するためです。

健康診断でヘモグロビンの値を確認するのも、酸素を運ぶ赤血球が十分につくられているかを見るためであり、金属の量を測っているわけではありません。

どれだけ鉄分を含む食品を口にしても、それが体内で金属の鉄に変わることはありません。身体の中の鉄は、金属ではなく「分子の部品」として働いています。ここが、素朴な疑問を解くための最初の手がかりになります。

谷口

「鉄」という一つの言葉で呼ばれていても、金属の鉄と、身体の中でタンパク質に包まれた鉄では、姿がまったく違います。

私も肩こりのご相談に接する中で、この点を取り違えている方に何度もお会いしてきました。体内の鉄は、酸素を運ぶための大切な部品です。まずは「金属ではない」と覚えていただくと、この先の話がすっと入ってきます。

磁石につく物質、つかない物質 血液はどちらなのか

金属の鉄が磁石に吸い付くのは、そこに特別な性質があるからです。では、体内の鉄イオンや血液全体は、磁石に対してどのような反応を示すのでしょうか。

この章では、物質と磁気の関係を3つに整理し、血液がどこに当てはまるのかを説明します。

【物質が持つ3つの磁性】

物質が磁界(磁石の力が及ぶ空間)に置かれたときの反応は、大きく3つに分かれます。

  1. 強磁性:磁石に強く引き寄せられ、自らも磁石になれる性質です(金属の鉄、ニッケル、コバルトなど)
  2. 常磁性:磁界の中でごくわずかに引き寄せられる性質です(アルミニウム、酸素分子など)
  3. 反磁性:磁界からごくわずかに反発する性質です(水、多くの有機物など)

私たちが日常で「磁石につく」と実感できるのは、1の強磁性を持つ物質だけです。2と3が生み出す力はきわめて小さく、人の感覚で引き寄せや反発を感じ取ることはできません。

【金属の鉄と体内の鉄イオンは、構造がまったく違う】

同じ「鉄」でも、金属の鉄と体内の鉄では、並び方が根本的に異なります。

金属の鉄は、無数の鉄原子が規則正しく、隙間なく並んだ結晶をつくっています。原子同士が密接に接して影響し合うため、磁界を受けると一斉に同じ向きをそろえます。この集団の動きが、磁石に吸い付く強い性質を生み出します。

一方、体内の鉄は「鉄イオン」という姿をとります。原子は、中心にある原子核と、そのまわりの電子でできています。電子がいくつか外れると、原子全体がプラスの電気を帯びます。この状態がイオンです。

電子を2個失った鉄をFe²⁺、3個失った鉄をFe³⁺と書き表します。ヘモグロビンの中で酸素と結びついたり離れたりするのは、Fe²⁺です。鉄を蓄えるフェリチンや、血液中で鉄を運ぶトランスフェリンに収まっているのは、主にFe³⁺です。

Fe²⁺もFe³⁺も、巨大なタンパク質分子の内部に1個ずつ離れて収まっています。

互いに影響し合う距離にないため、磁界を受けても向きがそろうことはありません。金属の鉄と体内の鉄を分けているのは、この並び方の違いです。

【血液全体で見ると、水の性質が表に出る】

赤血球のヘモグロビンには、面白い特徴があります。酸素と結びついているかどうかで、磁気に対する反応が変わるのです。

酸素を抱えているときは反磁性を示し、磁界からごくわずかに反発します。酸素を手放したあとは常磁性に変わり、ごくわずかに引き寄せられます。呼吸に合わせて、性質が行き来しているわけです。

ただし、この常磁性は金属の鉄とは比べものにならないほど小さく、磁石に吸い付く現象は起こりません。

さらに、血液のおよそ8割は水です。水は反磁性を持つため、血液全体の反応を測ると水の性質が表に出ます。結果として、血液は水とほとんど変わらない反応しか示しません。

強い磁界を使うMRI(磁気共鳴画像診断装置)の検査中も、血液が一箇所に引き寄せられることはなく、いつもどおり流れ続けています。

※磁気ネックレスを着けたままMRI検査は受けられません。詳しくはMRI検査を受ける予定がある人へをご覧ください。

血液は磁気にまったく無反応なわけではありませんが、その反応は強磁性のような「吸い付き」とは別のものです。磁気ネックレスが血液中の鉄を引っ張るという説明は、ここで成り立たなくなります。

谷口

「磁気を身につけると、血液の鉄が引っ張られるのではありませんか」というご質問は、肩こりのご相談の場で今もよくいただきます。ヘモグロビンの鉄は磁石に吸い付きませんとお伝えすると、たいてい不思議そうな表情をされます。そこで「もし吸い付くなら、MRI検査は受けられませんね」と申し上げると、多くの方が納得してくださいます。

磁気ネックレスは身体にどのように働きかけるのか

血液の鉄を引っ張っていないのなら、磁気ネックレスは首や肩に何をしているのでしょうか。

この章では、法律上の位置づけと、現在考えられている身体への働きかけ、そして製品を選ぶときの見方を説明します。

【管理医療機器としての位置づけ】

市販の磁気ネックレスには、装飾品ではなく、国の基準を満たした医療機器として認証された製品があります。薬機法(医薬品医療機器等法)では「家庭用永久磁石磁気治療器(管理医療機器)」に分類されます。

認証を受けた製品には、法律に基づく効能又は効果が定められています。ピップマグネループの場合は「装着部位のこり及び血行の改善」です。効果の感じ方には個人差があります。

定められた範囲を超えて、全身の血流量が大きく増えるとか、体内の鉄分を動かすといった説明をすることは認められていません。

製品を選ぶときは、パッケージや添付文書に医療機器認証番号が記載されているかを確認してください。磁気ネックレスの中には、医療機器ではない雑貨も流通しています。こりや血行への働きかけを期待する場合は、認証の有無が一つの目安になります。

【ピップが考えている磁気の働きかけ】

では、磁気は身体の何に働きかけているのでしょうか。

弊社は、その相手を血液の中の鉄ではなく、血管の壁をつくっている細胞だと考えています。血管の内側をおおう内皮細胞に磁気が働きかけ、血管をゆるめる物質がつくられることで、装着部位の血行が改善すると考えています。

詳しくは磁気の作用を紹介するページをご覧ください。

この働きかけには、まだ調べている途中の部分が残されています。承認された効能又は効果が定められている一方で、その道筋のすべてを説明できているわけではありません。これは「未科学」と呼ばれている状態です。

※未科学については、MRIは効かないのに、なぜ磁気ネックレスは作用するのかで説明しています。

【ミリテスラ(mT)という数字の読み方】

家庭用永久磁石磁気治療器のパッケージには、「200mT」「150mT」といった数字が記されています。ミリテスラ(mT)は、磁界の強さ(磁束密度)を表す国際単位です。

数字が大きいほど強い磁界を生み出します。

ただし、大きければ誰にとっても良いというものではありません。大切なのは、ご自身の生活や好みに合っているかどうかです。磁気ネックレスは、着け続けてはじめて日常の一部になります。重さや肌ざわり、着脱のしやすさ、デザインもあわせて確かめてください。

毎日ストレスなく続けられるかどうかを、数字と同じくらい大事にしたいところです。

磁気ネックレスは、血液の中の鉄を引っ張る道具ではありません。装着した部位のこりと血行に、認められた範囲で働きかける管理医療機器です。働きを正しく知ることが、納得して使い続ける支えになります。

谷口

磁気ネックレスは家庭用永久磁石磁気治療器として認証され、効能は「装着部位のこり及び血行の改善」と定められています。

働きかけの道筋には、まだ調べている途中の部分もあります。

だからこそ、認められた範囲を正しくお伝えすることを大切にしています。ペースメーカーをお使いの方は使用できません。注意事項を守って、安心してお使いください。

「磁気の力」をプラス。ピップマグネループという選択肢

血液の中の鉄は磁石に吸い付かず、磁気ネックレスが鉄を引き寄せているのではありません。肩こりや首こりと向き合ううえで土台になるのは、やはり姿勢を見直し、身体を動かすといった日々のセルフケアです。

しかし、セルフケアを行っても肩こり、首こりが軽減しない方は、無理をせずに肩こり症状の緩和に役立つ一般用医薬品や医療機器を上手に取り入れて、頑張っている身体を労ってあげてください。 何を選択するか迷われている方へ、一つの選択肢として「ピップマグネループ」をご提案します。

ピップマグネループ(家庭用永久磁石磁気治療器)は管理医療機器であり、その効果は「装着部位のこり及び血行の改善」です。購入は、ピップウエルネス通販公式サイトから可能です。ピップマグネループには、個々のニーズに応える多彩なラインナップが用意されています。

【管理医療機器「ピップマグネループ」の多彩なラインナップ】

ピップマグネループMAX

シリーズ最大の磁束密度200ミリテスラ(mT)。頑固なこりにしっかりとアプローチしたい方におすすめです。

ピップマグネループEX

磁束密度150mTの磁石4粒と75mTの磁石16粒、合計20粒を内蔵。幅広い層に愛用されているスタンダードなモデルです。

ピップマグネループAiryFree(エアリーフリー)

磁束密度55mT。ループの太さと重さを約50%カット(従来比)した、軽やかな着け心地のモデルです。

ピップマグネループfit

最大磁束密度150mTの磁石を6粒内蔵。お好みに合わせて42〜50cmの範囲で長さを自由に調整できるのが特徴です。

全シリーズとも、無理な力がかかると外れる安心設計となっており、着脱が非常に簡単で日常使いに最適です。また、ファッション性も兼ね備えた豊富なカラーバリエーションがあり、日中の着用も楽しくなります。

【ご使用上の注意】

※次の方は使用しないでください。

植込み型心臓ペースメーカーなどの体内植込み型医用電気機器を使用している方

※次の方は、あらかじめ医師にご相談ください。

医療機関で治療を受けている方、体調のすぐれない方

※時計、磁気カード、磁気テープなど、磁気の影響を受けるものには近づけないでください。

※使用中に体調が悪くなった場合は、直ちに使用を中止してください。

※その他の使用上の注意については、必ず製品の添付文書をご確認ください。

ピップマグネループ 取扱説明書・添付文書

※あわせて読みたい:MRI検査を受ける予定がある人へ 肩こり改善の磁気ネックレスを脱着するタイミングについて

【就寝時のリラックスタイムからの活用】

磁気ネックレスの装着がはじめてであれば、まずは「就寝時」からの活用を検討してみてはいかがでしょうか。寝ている間は身心1)がリラックスしている状態です。磁気がじっくりと首や肩の血行に働きかけ、こりの改善が期待できます(効果の感じ方には個人差があります)。

症状が改善しない場合や痛みが続く場合は、必ず医療機関を受診してください。

ピップマグネループについて興味をもっていただけたでしょうか?

本日も、無理なくお過ごしください。

1)弊社は、「健全な『心』は健康な『身』に宿る」という考えから、身体と心のつながりを「身心」と表記しています。一般的には「心身」と書かれることが多いですが、まずは土台となる身体(身)を整えることが、健やかな心への近道だと考えています。

よくある質問(FAQ)

磁気治療器を使用してはいけない人はいますか?

医用電気機器を使用している方は、ご使用しないでください。心臓ペースメーカー等植込型医用電子機器または、脳脊髄液短絡術式用可圧式シャントなどの医用電気機器を使用している方は、誤作動を招くおそれがありますので、使用しないでください。

ピップマグネループはずっとつけたままで良いのですか?

ピップマグネループの着用時間に制限はございません。ただし、医療機器ですので、症状がやわらいだら取り外すことをお勧めします。気分が悪くなるようなことがありましたらすぐに使用を中止してください。

ピップマグネループMAXの正しい着けはずしの方法を教えてください。

正しい着けはずし方法は以下の通りです。
コネクターを指でしっかりつかみ、水平に引っ張り、コネクターをはずす。
直接肌に触れるように首に装着してください。
首から外す時も同じ要領でおはずしください。
コネクター以外のところをつかんで引っ張ったり、強く引っ張りすぎると切れる恐れがありますのでご注意下さい。詳しくは動画を参照ください。